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加齢黄斑変性(AMD)は、網膜の中心である黄斑が加齢などにより出血やむくみ(浮腫)をおこして、視力低下やゆがみ(変視症)をひきおこす病気です。進行すると回復が難しく、早期の診断・治療が大切であるため、早めの眼科受診が必要です。
加齢黄斑変性は、国内における日本の失明原因の第4位となっています。
加齢黄斑変性の診断は、通常の検眼鏡による診察だけでなく、光干渉断層計(OCT)や光干渉血管造影検査、眼底自発蛍光検査などが有用です。
加齢黄斑変性は、新生血管のできる位置によりタイプが異なります。
詳細な検査で、原因となる脈絡膜新生血管を発見し、加齢黄斑変性のタイプを正確に診断したうえで、最も適した治療法を選択します。
加齢黄斑変性のタイプは大きく2つに分けられ、「滲出型加齢黄斑変性」と「萎縮型加齢黄斑変性」に分類されます。
日本では萎縮型にくらべて、滲出型の割合が多くなっています。
滲出型加齢黄斑変性の病態
通常、加齢黄斑変性の積極的治療の適応となるのは、滲出型加齢黄斑変性です。
滲出型加齢黄斑変性の治療としては、生活習慣の改善に加えて、抗VEGF薬の硝子体注射、光線力学的療法(PDT)、レーザー治療、ステロイド局所注射、加齢黄斑変性用サプリメント内服を行います。
滲出型加齢黄斑変性の原因である、脈絡膜の新生血管が黄斑の中心(中心窩)に及んでいる場合、新生血管を退縮する目的で、抗VEGF薬の硝子体内注射による薬物療法が第一選択となります。
抗VEGF薬は、加齢黄斑変性の原因となる新生血管の成長を促進する、血管内皮増殖因子(VEGF)を抑制する作用をもった薬剤です。
以前はアバスチン(ベバシズマブ)とよばれる、大腸がん向けの抗VEGF薬を、眼科で適応外使用していましたが、2009年に眼科用の抗VEGF薬であるルセンティス(ラニビズマブ)が国内で承認され、加齢黄斑変性の治療は大きく進歩しました。
その後、アイリーア(アフリベルセプト)やベオビュ(ブロルシズマブ)などの新しい眼科用の抗VEGF薬が次々に登場し、現在では加齢黄斑変性のタイプや個々人の治療効果に応じて、最適な抗VEGF薬を選べるようになってきています。
加齢黄斑変性の補助的療法として、光線力学的療法(PDT)や黄斑中心(中心窩)外の脈絡膜新生血管に対しては従来のレーザー治療を行う場合があります。
ステロイド薬(トリアムシノロン)を眼球の周囲に注射する治療です。
他の治療の補助的治療としての役割をもちます。
ビタミンC、E、亜鉛、ルテインなどのビタミン・ミネラルなどを一定量摂取することで、加齢黄斑変性の予防効果がみられることがわかっており、他の治療と併用して専用サプリメントの内服をお勧め致します。
生活習慣改善(禁煙、紫外線予防、食生活の改善など)と組み合わせて治療効果を高めます。